
合成音声を使ったとき、「なんとなく機械っぽい」と感じることがあります。その原因は、多くの場合、発音の正確さではありません。
正体は「間」
人が話すとき、意味の切れ目で必ず少し止まります。この間がないと、文字は正しくても不自然に聞こえます。
止まるべき場所は、だいたい決まっています。話題が変わるところ、結論を言う直前、列挙のあいだ。この3か所に間があるだけで、印象がかなり変わります。
逆に、止まってはいけない場所もあります。修飾語と被修飾語のあいだです。「とても/便利な道具です」と切れると、極端に不自然になります。「とても便利な/道具です」で切れるのが自然な形です。
設定より台本を直す
読み上げ側のパラメータを調整するより、台本を書き換える方が速く直ります。
- 一文を短くする(50文字を目安に)
- 句読点を増やす
- 漢字をひらがなに開く
- 言い回しを話し言葉に変える
いちばん効くのは1つめです。長い文は、どこで切ればいいのかを読み上げ側が判断しきれません。文を短くすると、その判断自体が不要になります。
「〜であり、〜だが、〜ので」のようにつないだ文は、切って並べるだけで自然になります。書き言葉として正しくても、聞くと硬すぎるという語も多くあります。
読み間違いは、集中を切る
もうひとつ見落とされやすいのが、読みの間違いです。人名や専門用語を間違えて読まれると、そこで視聴者の集中が切れます。内容が良くても、その1語で印象が落ちます。
読みが割れやすいのは、数字の単位(1つ、3日)、英字の略語(AI、UI、SNS)、同じ表記で読みが変わる語(今日、一日、人気)、そして固有名詞です。
読みを指定できるツールなら指定し、できないなら語を変えてください。一度作った読みの指定はメモに残しておくと、次の動画から確認の時間がなくなります。
日本語特有の調整
語尾の処理、助詞の読み分け、固有名詞のアクセント。海外のモデルをそのまま使うと、このあたりが崩れます。ここを地道に詰めることが、そのまま品質の差になります。
派手な改善ではありません。ただ、聞いている側は理由を説明できないまま「聞きやすい」「聞きにくい」を感じ取ります。積み上げるだけの価値がある部分です。
ナレーションの整え方は、スクールのSTEP05「ナレーション」で扱っています。
