
丁寧につくることは、良いことのはずです。でも動画制作に関しては、丁寧さが続かなさに直結することがあります。
1本10時間の現実
週に使える時間が7時間なら、1本10時間の編集では、隔週投稿すら難しくなります。そして隔週投稿では、改善のサイクルが回りません。
数字を読んで次の1本で試す、という流れが月に1回しか回らないと、3ヶ月で3回しか試せません。同じ3ヶ月で12回試せる人と、差がつかないほうが不思議です。
効果が出る編集、出ない編集
不要な間を詰めることは、確実に効きます。冒頭のテンポを上げること、話の切れ目を分かりやすくすることも同じです。この3つに共通しているのは、視聴者が離脱する理由を取り除いている点です。足すのではなく、減らす作業です。
一方、凝ったトランジションや細かいテロップ装飾は、ほとんど数字に表れません。誰も気づかないレベルの色調整も同じです。作っている側の満足度は上がりますが、見るかどうかの判断には関わりません。
見られている動画を分析すると、驚くほど編集がシンプルなことに気づきます。
テロップは全文に入れなくていい
時間を最も食う作業のひとつが、全文テロップです。そして効きは限定的です。
入れる価値があるのは、聞き取りにくい語と、数字と、固有名詞。この3つに絞るだけで、テロップ工程の時間は大きく減ります。
まず終えられる速さを決める
「90分で終わらせる」と先に決めて、その中でできることをやる。完成度は下がりますが、投稿が続きます。続けば数字が集まり、何を直すべきかが見えてきます。
順番として、質を上げるのはそのあとです。
時間を計らないと、どこで溶けているか分からない
上限を決めても、守れないことがあります。そのときは感覚で反省せず、工程ごとに時間を計ってください。
素材の配置、カット、テロップ、音の調整、書き出し。この5つで十分です。1本分を計るだけで、自分がどこに偏っているかが分かります。たいていは、効果の出にくい工程に寄っています。
行き来をやめるだけで速くなる
編集が遅くなるもうひとつの原因は、工程の行き来です。テロップを入れてからカットすると、消したテロップの作業が無駄になります。
順番を固定して、前の工程には戻らないと決めてください。ナレーションを並べる → 間を詰める → 映像を当てる → テロップ → 音量 → 書き出し。2番目でしっかり詰めておくと、それ以降のやり直しがなくなります。
速さは、質を捨てることではない
誤解されやすいのですが、速く終わらせることと、雑に作ることは違います。
捨てるのは質ではなく、質に効かない作業です。その線引きさえできていれば、90分で作ったものが10時間かけたものに劣ることは、ほとんどありません。
工程ごとの時間配分は、スクールのSTEP06「編集の最短ルート」で扱っています。
